Deeflexxを試してみる

本日のサウンドチェックはDeeflexxのH! EDITIONに関して、です。



最近、立て続けに動画を上げておりますが、防音室(ラフな防音ですが)で録音しています。 今までは売り場でiPhoneを使用して録音していましたが、やはりロー感が足らん!というお客様からの声と「ちゃんとやれ」という関係者からの声を多数いただき…マイクで録っています。

ところが、防音室での撮り音に関して「?」が多く…すごく耳障りの悪い音で取れてしまうんですね。なんでだろ?と思っていたのですが、答えは防音室の吸音にありました。今まで広い部屋で「鳴り感」が良かったのですが、防音室で録音すると、急にマイクの特性やピーキーな音/レンジが気になったのです。

もちろん録音後、後からプラグイン等で耳障りな部分のカットも可能なのですが、そうすると「この音じゃない感」が出てしまい、とても楽器の紹介動画としては… などと、イッチョ前の悩みがありました。

これは一般的なレコーディングスタジオでも感じることで、ボーカルブースなど小サイズの部屋でギターアンプやベースアンプを鳴らす/録音すると、悲しい音になる事は経験しています。

「ならばスピーカーからの出音を反射させたら良いのかも」と思い、マイクの周りに木材で壁を作ったりしましたが全然狙った音には「鳴り」ません。

困ったなぁ…とふと見ると、Deeflexxがあるじゃないですか。



Deeflexxはスピーカーから直接的に聞こえるまっすぐに進む音=ビームサウンドを拡散させ、左右だけでなく上部にも音を届かせてくれます。これで足元に置いたコンボアンプのサウンドが、アンプの目の前に立って演奏してもモニターしやすくなります。また、アンプの目の前にいるリスナーの耳を直撃する事もなくなります。

ということは、デットな鳴りの部屋でこのDeeflexxを使用すれば、程よく音が拡散されて「鳴らない部屋」でも音が壁に反射して生まれる複雑なサウンドに近い、拡散された音で録音できるのでは?と考えてみました。

で、とりあえずやってみます。

VOX AC30の片側のスピーカーの前にDeeflexxを置いた場合とDeeflexxが無い場合の音の違いです。本来はアンプから離れた場所にマイクを置くべきなんですが、今その音は必要ないのでそのチェックはまた今度。

動画です。


今回はTC electric Flashbackディレイのルーパーを使用し、全く同じ音で比較しています。

Deeflexxがない場合は、音がストレートに前に飛び、Deeflexxがスピーカーの前にあるとDeeflexxに反射した音がマイクに混ざってきます。この音が今回の場合は非常に「いい塩梅」で、自分がモニターしている音に近い印象で録音できました。

特にオーヴァードライブサウンドがわかりやすいですが、クリーンでもその違いは明確です。強くアタックした際の弦の「ブルル感」が一層際立って聞こえます。加えて余韻感が加わります。この音が欲しい時、すっごい微妙な音なので、私のようなアマチュア録音野郎ではプラグインなどでは作れません。ちゃんとしたエンジニアさんであれば、別のノウハウを持っていらっしゃると思います。

もちろん、オーヴァードライブサウンドではミッドの音が明瞭になり、今回はDeeflexxが無い場合に比べて「濁り」が消え、ギターらしい音になりました。個人的に一番取り去りたかったローミッドの「ゴワゴワ」したところが無くなって最高でした。

後半のドライブサウンドではクルーズのオーヴァードライブAddict ODとGODの2台掛けをしていますが、リフの途中でAddict ODをバイパスしています。その時の音の違いもDeeflexxがあった方が明確になります。 

という訳で、今回の使い方はDeeflexx本来の用途とはちょっと異なりますが、今私が動画を取っている環境では明らかにDeeflexxがある方が良い音で録れました。ちなみに前日のKz Guitar Worksのサウンドサンプルでも使用しています。それ以前にポストされた動画に比べて音に奥行き感が加わり、倍音もうまく収められたと思います。ROYER 121の様なリボンマイクでは、特に有効だと思います。

また、他の部材(木材やコンクリなど)をスピーカーの前に置いても同じ効果が得られるんじゃ?と思われるかもしれません。その違いを是非比べてみて欲しいです。なぜこの材質なのか?ということが少し理解できます。 


ライブなどのモニター改善にはもちろんですが、是非ご自宅や都心でのレコーディング(狭い部屋でのマイク録り)が多い皆さんはお試しください。 在庫や実際にお試しになりたい皆さんはフーチーズまでお気軽にご来店ください。


MWrata