【動画】D*A*M 1965をサウンドチェック


前回の投稿に続き、2回目の正式入荷となるD*A*M 1965をご紹介しましょう。



余談ですが、D*A*Mは1965の他に、1966というペダルをラインナップしています。

D*A*M 1966というペダルは、D*A*Mブランド設立の初期からラインナップされています。こちらは1966年に登場したVOX TONE BENDERの中期型いわゆる「イタリアン・トーンベンダー」のレプリカです。トランジスタ2石を使用し、FUZZ FACEにも似た回路構成を持ったファズペダルです。このイタリアンベンダーはVOXブランドが販売したこともあり、かなりの数のヴィンテージペダルが今でも市場で確認できます。しかしながら製品のばらつきやスペック、なによりサウンドが安定していないこともあり、その「本当の音」を知る人は実は少ないと言われています。

今回入荷した『1965』は”TONE BENDER MKI”と呼称される、最初のTONE BENDERのレプリカペダルです。このペダルはGibson/MaestroのファズペダルFZ-1をベースに改良されており、ゲルマニウムトランジスタを3ヶを搭載しています。

数年前にテスト版としてこの1965がD*A*Mのダイレクト/オンライン限定で発売されました。その際は一瞬で売却され、このペダルはD*A*Mのカスタムプロジェクトの中でも非常にレアで、入手が難しいものとなりました。その後も、ごく稀に製作されてきましたが、まとまった数量が日本へ入荷したのは今回で2度目です。

このペダルはトランジスタのマッチングが非常に困難である事、チューニングが微妙で、クオリティーを維持するのが難しいということもあり、D*A*Mペダルでもっとも高価なペダルでもあります。

TONE BENDER "MKI"とTONBE BENDER "MKII"



同じトーンベンダーなので、この1965に前回ご紹介した『Professional MKII』と同じような音色のイメージを持っておられる方も多いと思いますが、MKIMKIIとは全く異なるペダルです。
恐ろしいほどのアウトプットレベルを持ち、さらに恐ろしいほどのゲイン量を誇ります。特徴としてはゲート感で、それ以降のトーンベンダーサウンドにはない、独特のゲーティングが得られます。TONE BENDER MKIに関しては、多くのファズマニアがデータをシェアしていますので、興味のある皆さんはチェックしてみてください。かなり深い世界です。それほどに魅力のあるペダルなのです...と、語り出したらキリがない。今回はサウンドチェックと使いこなしのノウハウをご紹介します。


D*A*M 1965の特徴


まず、ペダルは原始的な回路構成を持っています。このペダルの挙動を十分に把握するためには、程度の良いギターが必要です。程度の良い、と言っても別に特別な高級品を用意する必要はありません。自分好みの音が出るギターがあれば良いのです。ただし、ピックアップはある程度パワーがあるもの…PAFタイプのハムバッカー等が良いでしょう。かと言って、過度のパワーはTONE BENDERとの相性が良くありません...もちろん、このペダルに興味を持つ皆さんであれば、ギターにもこだわっている事でしょう。


今回の撮影も、前回と全く同様のセットアップ/同じRIGで撮影しました。VOX AC30の”TONE”だけは、少しトレブルを得るようにセットしています。また、ギターはGibson Les Paul Customを使用しました。ピックアップは全てK&TGOLD TONEを搭載しています。



まずは動画をチェックしてみてください




最初はギターのボリュームをフル、トーンもフルで弾いています。サウンドはどうでしょうか?かなり鼻づまって、ゲーティーなサウンドです。この音しか知らなかったら『全然欲しくない』ペダルになってしまう事でしょう。

動画では一度、FUZZをバイパスし、ギターのボリュームとトーンを下げています。その後、もう一度FUZZONにします。すると、トーンがすっきりとし、歪みもスムーズにドライブします。これが、D*A*Mが正しくチューニングしたMKIタイプの音色です。


動画途中で頻繁にコントロールをいじっていますが、サウンド的にはそれほど変化しません。しかし、弾いている本人が感じるレスポンス感やサウンドの食い付き感には過敏に変化します。

このように、ヴィンテージファズやヴィンテージレプリカのファズは、程度が良くなればなるほど、入力に対する反応が過敏になります。できるだけ素直で、出力もあるピックアップ当店で言えば、間違いなくK&Tピックアップがソレです。ギター本体のサウンドは、ここでの出音に大きく差をつけます。ギターのボリュームを下げた時のサウンドの良さ=ピックアップの質、という事にもなるでしょう。

そういえば

『ファズなんて、何のギターでも何のピックアップでも、音の違いなんて出ないよ。ただ歪むだけでしょ』


うわぁ...

これは何処かの誰かの発言らしいですがまぁ良いファズの音を知らないのでしょうね。かわいそうにというか、確かに興味がない皆さんにはこの『1965』のサウンドも『変な音』なのかも知れませんね趣味の話だと思います。

しかし「この音』なくしてロック創世記の名演/名盤/名音は生まれなかったのです。個人的には全ての『ハイゲイン』のサウンドには、このMKIのミッドレンジのテイストが受け継がれていると思います。




興味が出てきましたか?是非店頭でお試しください。

D*A*M “1965” TONE BENDER MKI REPLICA

販売価格:129,600円(消費税込)


D*A*M 1965に関するお問い合わせは03-5428-6739 
またはshop@hoochies.infoまでお気軽にどうぞ