年末あたりからポストしていたブログ投稿に反応していただいたお客様からボードの製作依頼をいただきました。サウンドチェックの動画です。
今回お客様からはこだわりのファズペダルを中心とした手持ちの機材に合わせて、局地的なブーム(?)となっているロジャーメイヤーペダル、そして当店イチオシのエコーペダルDAWNER PRINCE BOONARをチョイスしていただきました。
こういったシステムの場合、まずオーナーのこだわりであるファズペダルのサウンドをいかにキープしながらボードを組むか、という事がポイントになります。
特にヴィンテージライクなペダルはモダンな機材との相性が微妙な場合が多く、セットアップすると「使えない」サウンドになってしまう事もしばしば。
前段からの歪みに対してもニュアンスがキープされ、さらに後段のペダルをプッシュする場合にも程よく色付けしてくれる最高のペダルです。発売からウン10年経ったいま、まさに使いたいペダルですね。
CLASSIC OCTAVIAはロジャーメイヤーがジミ・ヘンドリックスと共に進化させたペダルをベースに、1960年代当時よりもブラッシュアップされています。
RINGINGが少なく、クリアーでエッジの効いたオクタヴィアだけが持つ音楽的なサウンドは最高です。 このOCTAVIA CLASSICはロケット型ではなく、スクエアボックスに収められており、こういったボードにマウントする際にも使いやすく、DC電源の供給も可能です。また、ロジャーメイヤー製品はバッファーが組み込まれているので、サウンドに煌びやかな印象もあります。外部ペダルからの音色的な影響が少ないのも嬉しい限り。ピートコーニッシュも必ずファズユニットにバッファーを組み込みますが、その意味がよくわかります。
これらペダルはあえてバッファードアウトを使用せず、ハードワイヤードアウトから出力しています。
実はOCTAVIAの下に、クルーズのBUFFOUTというバッファーが配置されており、信号はチューナーの後、最初にここを通過します。ここで通過後のインピーダンスをセットする事で、バッファードでありながらファズフレンドリーなシグナルを作りだします。これがこのボードのキモであります。
PIGDOG MKIIはSBタイプのサウンドでスッキリしています。このクリアーなファズサウンドをキープする事で、ファズがまるで気の利いたオーヴァードライブのようにも使えます。ワウもファズの先においても、問題なく使えます。GEFはファズフェイスタイプでありながら、現代的な機材に対応するチューニングが施されています。この音作りは絶妙。テレキャスターでこのサウンドです。2つのファズの存在感が活きています。
pedal diggers 819 twinはTS系と簡単には括れないサウンドで、今回はVOODOO-1とOCTAVIAと組み合わせてSVRライクなサウンドからスムースジャズ的なアプローチもできるようになっています。このペダルも非常に作り込まれており、2つ同時使用等のアプローチも素晴らしいサウンドです。
Boonarエコーは言わずと知れたBINSON ECHORECをモティーフにしたエコーペダルです。今回の動画のように、ダブリングっぽいアプローチにも最高だと思います。ZEP初期のようなトレブリーで枯れたサウンドをリッチに広げたい場合にも良いと思います。もちろん、幻想的なエコーサウンドを生み出す事もできます。
ちなみに使用したギターはCrews OSTL-59 EXPAND(K&T Yellow Lineピックアップを搭載)とワウ、VOX AC30 C2です。
TEXT by MW
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