K&T ピックアップ

昨日はK&Tの高野さんの
作業現場にお邪魔してきました。
先日サンプルが届いた新作があまりに強烈だったのと
幾つかの質問があったので、ちょっと吉祥寺まで。

お忙しい中、時間を頂き色々とお話を伺いましたが・・・
やっぱり凄いです。

まず気になっていたTOPSの事。
あの中高域のレスポンスと強烈なミドルのキャラクター。
これぞギターサウンドだ!と言わんばかりの個性。

正に60年代ー70年代のロック名盤と言われるレコードに記された、あのトーン。
その秘密は特殊なマテリアルの産物、と言うだけではありませんでした。
全てはその製法にあったのです。


特に音のピークの持って行き方。
その秘密はこの形状にありました

均一に巻かずに、クロスポイント(交差巻き)や
巻のテンションでピックアップのキャラクターを決めて行く、
と言うのは、このブログの常連様ならばもはやご存知の通り。
キレイに、均一に巻くと、あの音は出せない。

しかし、それ以外にもポイントがあります。
それが、各コイルの巻数や巻き方で決める
ハムバッカーにおける各シングルコイル同士へのギャップです。

ご存知のとおり、ハムバッカーとは同じパターンのピックアップを逆位相でぶつけることによって
ハムノイズをキャンセリングします。
これは全ての同じ様な構造を持つ事に言えます。

逆相でぶつけると、消える音がある、というレベルで覚えていただければ良いでしょう。
ちょっと乱暴な言い方ですが、ハムキャンセリング・ヘッドフォンも同じ様な原理です。

そして、そのハムキャンセリングが全てにおいて
都合良く働いてくれるとは限らない、というのが大きなポイントになります。
K&Tのハムバッカーが他のハムバッカーと
明らかに異なる音のピークやレスポンスを持っているポイントがここにあります。


ニュアンスさえつかめればその音の違いを理解するのは簡単な事なのですが、
理屈を解っていないと非常に難しい説明になります。

なので、もの凄く簡単に言うと
K&Tのハムバッカーは本当に必要のない所だけをキャンセルし、
必要のあるピークはキャンセルしていない、
と言う事です。

要らないノイズだけ、見事に消し去っている、と言う事です。
そしてノイズを消し去る事で
必要な箇所がより強調されて聴こえる、という事です。


昨日から色々な音源を聴き返しています。
CREAM


JEFF BECK
悪い音してますねー。不良の音。

という御三家は勿論。

355ユーザーのオーティスラッシュ。


ポールコゾフの音もそうですよね。
非常にシャープなハムバッカー。
おいしいところだけが残っています。
BLACK SABBATHのトニーアイオミもそうですね。
この「ミンミンした」ハイミッド。最高!
PVも最高!
ブルーバックで彼らが演奏している姿が観たい。

と言う訳です。

この強烈なアーティスト達が選んだトーン。
その強烈な音色を蘇らせたTOPSを是非体験してみて下さい。
この音こそがPAFを継承しながら、
経年変化で起こりうる問題点を克服しています。


私もちょっと前までは、
ローゲインであたりさわりの無い音色が
ヴィンテージの音だと思っていました。

お恥ずかしい。
全然、逆でしたね!


mw